現在、年商8,000万円~3億円程の企業が、年1,000万円~8,000万円ほどの売り上げアップを支援したコンサルティングの方法を学んでいます。
昨日は、その講座で高田馬場へ。
受講生は税理士が中心ですが、中小企業診断士や経営塾を運営しているプロのコンサルタントの方もいて、いい刺激をもらいました。
皆さん口を揃えて、お客様の売上が増えることが嬉しい、お客様が良くなるために学びにきたということをおっしゃっていました。
立場や業種が違えど共有できる目的だったのが、嬉しかったです。
私が経営者の方とお話しする中で、売上の話は欠かせません。
数字の話だけではなく、その売上に至った理由や営業方法、今後の展望などをお聞きいたします。
この部分は、会計ではない経営者の方にしか語れない領域だからです。
だからこそ、経営者の相談相手として、そこに、スポットを当てて、営業方法はこのままで良いのか、今後売上が伸びるかどうかを洞察していきます。
経営者の方には、会話というアウトプットを通して、非会計的な項目を整理し、実際に会計に落とし込むことで頭の中を整理した状態で、次の仕事に向かうことができます。
経営者の方とお話ししていると、尽きないお悩みは「売上」に関することです。
実際、経営者の三大悩み(ヒト・ウリ・カネ)のうち、「ウリ(売上・マーケティング)」は全体の70%を占めているというデータもあります。
これほど多くの方が悩む「売上」や「営業」について、改善できる方法はないか、私も常に考えています。
私が最初に立ち返るのは、「売上の方程式」を徹底的に理解し、活用することです。
会社の営業力を上げる「売上の方程式」
多くの経営者の方が「売上を上げたい」と漠然と考えていますが、この方程式を分解することで、具体的な打ち手が見えてきます。
まず基本となるのが、年間売上高を構成する要素です。
- 一年間の売上高 = 数量 × 金額
= 客数 × 取引金額
さらにこれを深掘りすると、以下の3つの要素に分解できます。
- 一年間の売上高 = ①客数 × ②取引単価 × ③購買回数
つまり、売上を上げるためには、「お客様の数を増やす(客数)」か、「一度の取引で買っていただく金額を増やす(取引単価)」か、「繰り返し買っていただく頻度を上げる(購買回数)」のいずれか、またはこれらを組み合わせる必要があるわけです。
この方程式は、さらに細かく展開できます。
- 案件数 × 受注率 × 取引単価 × 購買回数
=問合せ数 × 相談率 × 受注率 × 取引単価 × 購買回数
例えば、「客数」を増やすためには、「問合せ数」を増やし、その問い合わせから実際に相談につながる「相談率」を高め、さらに相談から成約に至る「受注率」を上げることが重要になります。
これらは、「集客スキル」や「販売スキル」として磨くべき領域です。
営業力を上げるための戦略的アプローチ
では、実際に会社の営業力を劇的に上げるにはどうすれば良いでしょうか?
この方程式を理解することの真価は、具体的な「打ち手」の数と優先順位付けにあります。
売上が伸び悩んでいる時こそ、闇雲に努力するのではなく、上記の「①客数」「②取引単価」「③購買回数」のどの要素がボトルネックになっているのかを見極め、最も効果の高い「打ち手」を優先的に実行することが重要です。
ただ、「打ち手」については、まずは質より量です。
それぞれ10個づつ全部で30個あることが望ましいです。
私も一度やってみたことがありますが、せいぜい4個ずつの12個までで、後が途端に出なくなります。
実は、この出なくなってから、脳に刺激を与えて捻り出したものが本当にいいアイデアだったり、劇的に伸びる要素があったりします。
なぜならすぐに頭に思い浮かぶ打ち手は、誰もが思いつくものが多く、すでに似たようなことに取り組んでいたり、他の人がやっていたりするからです。
考えに考えて絞り出したアイデアこそ経営者がやるべき本来の営業戦略といえます。
このように、「売上の方程式」を各要素に分解して具体的に把握し、それぞれに対してどのような「集客スキル」や「販売スキル」が必要か、そしてどのような「打ち手」を講じるべきかを明確にすることで、会社の営業力は本当に向上します。
では、それを小規模企業の経営者が一人でできるかと言われるとなかなかできません。
従業員には、営業の戦術(方法)は共有できても、戦略(方針)を一緒に考えることはできません。
それを伴走者としてお手伝いするのが、私のような経営支援を得意とする税理士です。
逆に打ち手については、そのキーポイントとなる数やストックをどれだけ備えているかが経営支援をする側の質につながります。
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まとめ
「売上の方程式」は、単なる計算式ではありません。
それは、会社の営業活動を分析し、改善するためのシンプルで最も強力な羅針盤となるものです。
ぜひこの方程式を活用し、具体的な戦略を立てて、「ウリ」の悩みを解決し、会社の成長を加速させていきましょう!
それでは、また。
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