日々自分が考えていることを見つめ直す、ただ見つめ直しているだけでは何も起こらない。
それを行動に移すことが大事。
その答え合わせの中に読書を取り入れる。
そんな1日を過ごしています。
無意識の慣習
突然ですが、日々の業務の中で「なぜか分からないけれど、昔からこうしている」という慣習はありませんか?
例えば、従業員に対して、業務の必要性やその成果を問われて、そのように答えていたりしませんでしょうか。
私もそのように言われた経験もあれば言った経験もあります。
その答えが100%間違っている訳でもないし、説明を端折るのに使ってしまった時もあります。
もしかしたら、その慣習こそが、私たちのビジネスの成長を阻害し、非効率を生み出しているかもしれないとすれば、結構真剣に考えませんでしょうか。
私は危機感として捉えます。
特に私のような小規模の企業では、小さいレベルでの限界が作られ、いつまでも経ってもその限界を突破することができません。
それを変えられるのは、得意先でもなく、従業員でもなく、経営者自身です。
マーケティングの巨匠、J・エイブラハムが、こうした無意識の習慣が持つ落とし穴について、象徴的な逸話で私たちに警鐘を鳴らしています。
J・エイブラハムの「ある家庭でのローストビーフの調理法に関する逸話」が示す真実はこうです。
ある日、夫が妻に尋ねました。
「なぜ君はローストビーフの両端を切り落としてから焼くんだい?」
妻は「お母さんにそう教わったからよ」と答えます。
そこで夫は97歳になる妻の母親(祖母)に同じ質問をしました。
すると、祖母はこう答えたのです。
「それはね、昔私たちが持っていたオーブンがものすごく小さかったから。両端を切らないと肉が入らなかったからよ」と答えました。
これが、私たちのビジネスに潜む「無意識の慣習」の実態です。
この話は、多くの企業が、その本来の理由や必要性が失われたにもかかわらず、「昔からのやり方だから」という理由だけで、非効率な慣習を漫然と続けていることへの痛烈な批判です。
J・エイブラハムは、これを「ほとんどの人がこういったビジネスのやり方をしている良い例」だと述べています。
このような「ローストビーフの両端を切り落とす思考」から脱却し、「思考モデルを打ち破る」ことの重要性を強調しています。
つまり、現状を深く分析し、「なぜそうするのか?」「本当に必要なのか?」と本質的な問いを投げかける姿勢です。
現状維持に安住せず、常に変化と成長を求める私たち経営者へのメッセージです。
小規模企業の「ローストビーフの端」を見つけるヒント
小規模企業の経営には、知らず知らずのうちに非効率な慣習が入り込んでいるケースが少なくありません。
税理士業も当然代表格です。
①経理・会計業務の自動化と効率化
「手書きの帳簿からなかなか抜け出せない」「毎月の経費精算に膨大な時間がかかっている」といった状況は、まさに「ローストビーフの端」です。
クラウド会計ソフトの導入や経理プロセスの見直しで、大幅な時間とコストの削減が可能です。
②コストの見直し
「昔から付き合いがあるから」「なんとなく」という理由で続けている取引先や契約が、本当に最善の選択なのかを再評価することです。
J・エイブラハムは「商品が良くても、ポジショニングやマーケティングの仕方を学ばなければうまくいかない」と述べていますが、これはコスト面にも言えることです。
③ビジネス戦略の再評価
割引クーポンやチラシ配布など、効果が出ていないにもかかわらず続けている販促活動はありませんか?
J・エイブラハムが指摘するように、良い商品であっても優れたマーケティングがなければ売上には繋がりません。
既存の枠にとらわれず、顧客に真に響くアプローチを考えるべきです。
④人材育成への投資不足
「優秀な人材が雇えない」と嘆く一方で、既存のチームメンバーの育成に十分な投資をしていないケース。
従業員はミッションを託されている存在であり、成長機会を提供することで、企業全体の生産性は飛躍的に向上するとしています。
結論:税理士と共に「常識」を問い直し、新たな挑戦へ
J・エイブラハムが教えるのは、「最大を追求する」経営哲学です。
これは、最大の喜び、売上、利益、価値、コントロール、そして「最大の全て」を手に入れることです。
そのためには、過去の成功体験や無意識の慣習にとらわれず、常に批判的思考を持ってビジネスの本質を問い直す勇気が必要です。
私たち経営支援を強みとする税理士は、単に会計処理や税務申告を行うだけでなく、お客様のビジネスに客観的な視点を提供し、隠れた非効率性や見落とされているチャンスを共に発見するパートナーです。
営業やマーケティング思考を取り入れ、私たち税理士と共にビジネスの新たな成長戦略を描きませんか。
今日言いたいことはまとめることができました。
それでは、また。
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