きょうは、税理士会の一員として「租税教室」のアシスタント業務を行ってきました。
前回は小学生を対象に「税金とは何か」「何に使われているか」を伝える授業形式でしたが、
今回は高校生を相手にしたワーク・ディスカッション形式の教室でした。
テーマは、「事業を立ち上げ、その利益で卒業式に推しを呼ぶ」という、非常に実践的なもの。
リアルな起業会議を体験
生徒たちは5〜6人のグループに分かれ、以下の項目を決定し、事業計画を立てます。
- イベント名と内容
- 呼びたいゲストと出演料(例:500万円)
- 事業の対象者
- 目標売上高と経費
目標は、ゲストの出演料500万円を「税引後利益」として残すことです。
スプレッドシートに具体的な単価や販売個数、経費を入力してもらい、
法人税や消費税を計算して、最終的な利益を算出します。
まさに、起業する際の経営会議そのものです。
「高校生には難しすぎるかな」という私の予想に反し、生徒たちからは次々と斬新なアイデアが飛び出しました。
「単価をいくらに設定するか?」「何個売るか?」生徒たちは、やりたいこと、実現可能性、無理そうなことを率直に意見交換しながら、わずか2時間弱で本格的な事業計画書を作成しました。
そのスピードと集中力には驚かされます。
AIプレゼンと高校生の胆力
作成した計画は、いよいよ発表会へ。
ここで面白いのは、発表用のプレゼン資料の生成にAIを活用したことです。
事業計画の内容や記載方法によってAIが生成する資料が異なるため、
生徒たちはそれを織り込み済みで、ほぼ一発勝負のプレゼンに挑みました。
今の高校生には本当にびっくりです。
発表の場面でも物おじせず、堂々とプレゼンを行う彼らの「キモが据わっている」様子に、
心底感心させられました。
最後に、生徒たち自身の投票で最優秀グループを決定し、教室は終了しました。
参加した高校生からの声
終了後のアンケートでは、嬉しい感想がたくさん出てきました。
- 「事業にかかる費用とともに考えるのが楽しかった。」
- 「資金を稼ぐのに、具体的なプランを考えることができた。」
- 「税金だけでなく、企画なども細かくみんなで話し合って考えることができた。」
- 「税理士の人がサポートしてくれたおかげで、グループディスカッションがしやすかった。」
- 「全体を通してとてもこの先の人生において良い学びになりそうなことをたくさん学べてよかった。」
- 「お金の計算をするのは楽しかった。」
租税教室を通じて得られるもの
まだ税金を払ったことのない高校生が、将来、どれだけの税金を納めるのかを実体験として学べたことは、大変有意義な時間だった思います。
そして、次の段階としては、その税金が何に使われ、自分たちにどのような形で返ってくるのかを、考えていくと選挙や政治が自分ごととして考えるきっかけになるかもしれません。
いい意味で「染まっていない」、真っ白な若者たちと接することで、私自身も新たな視点を得て、
成長できた気がしています。
人に教え、学びの場を提供するのが好きなのだと再認識する機会にもなりました。
来月、再来月と、引き続き租税教育に携わる機会がありますので、積極的に若者との交流を続けていきたいと思います。

コメント