先日、地元の慶應義塾湘南藤沢高等部(SFC)へお邪魔し、
「租税教室」のサポート役を務めてきました。
テーマは、ズバリ「卒業式に推しを呼べ!!」高校生プロジェクトです。

昨年別の高校で実施した時の反省を活かして、内容をガッツリとバージョンアップして臨みました。
なんと60名以上の生徒が参加してくれ、会場は熱気に溢れていました。
内容は、高校生が自ら起業家となって事業計画を立て、利益を出して税金を払った「残りのお金」で、卒業式に呼びたいアイドルやタレントを呼ぼう!というもの。
「そんな発想があるのか!」と驚くようなアイデアが次々と飛び出し、自分たちの事業を形にしようと必死にプレゼンする姿は、本当に頼もしかったです。
AIが「税理士」を指名したけれど
後半は、高校生代表と士業による「AIとどう生きるか」の討論会。
私は客席から見守っていたのですが、これがまた面白く、とても勉強になりました。
今のAI(ChatGPTなど)に「取って代わられる仕事」を尋ねると、真っ先に「税理士」が挙がってくる。その上での次の一手は何か。
高校生たちもそれは百も承知で、実際にレポート作成などでAIを使っているとのこと。
でも、彼らはこう言っていました。
「自分の信念を持つこと、疑問を持つ習慣を忘れないように自分を鍛えている」
AIに使われるのではなく、人間がAIを使いこなす。
AIにはできない「人間の想いや責任」をどう残していくか。
そんな彼らの真剣な眼差しに、「教えに行った」はずの私の方が、「大人への危機感あるメッセージ」として受けとめることとなりました。
建設業の社長が漏らした、本音の変化
そんな「未来の起業家」たちとの刺激的な時間のあと、ある建設業の社長さんとお話しする機会がありました。
その社長、以前までは「払う税金は1円でも少ない方がいい」と、それこそ節税のことばかり考えておられました。
ところが先日、ポロっとこんなことをおっしゃったんです。
「もう節税ばかり考えるのはやめたよ。税金をしっかり払って、会社にお金が残る方がずっと安心する。やっとその意味がわかってきたよ」
この言葉を聞いた時、ずっと口酸っぱく言い続けてきた甲斐があったな……と、胸が熱くなりました。
もちろん、税理士として適切な節税の提案はします。
でも、会社を長く守っていくために本当に必要なのは、節税で削り出した目先の利益ではなく、「会社に残った純資産」なんです。
「節税をして伸びる会社」なんて、存在しない
これから起業する方や、まだ創業して間もない経営者の方には、耳が痛いかもしれませんがこれだけは伝えたいです。
「節税をして会社が伸びることはありません。伸び続けている会社が、結果として節税を考えるんです」
まずは、会社の「体力」をつけること。
具体的には、もし明日から売上がゼロになっても、従業員の給料や家賃を半年間は払い続けられるだけの手元資金があるかどうか。
それだけの「蓄え」があって初めて、従業員も安心して働けますし、経営者も次の戦略をじっくり練る「心の余裕」が生まれます。
節税に固執して利益を減らし、手元にお金がない状態。
それは、本当の意味での「安心経営」とは言えません。
損益(PL)の数字や税金額に一喜一憂するのではなく、会社の体力を示す「バランスシート(貸借対照表)」をどう強くしていくか。
視点がここに移るだけで、経営の質は劇的に変わります。
社長のあの晴れやかな顔を見て、私も改めて確信しました。
会社が強くなれば、経営者も、従業員も、その家族も、みんながWin-Winになれる。
私も事務所を移転し、新事務所での業務も本格化していますが、そんな「強い会社」を育てるための支援に、これからも全力で努めていきたい。
現場の熱量をそのままに、皆様の挑戦をサポートしていきます。

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