市民農園デビュー?!前に調べた日本の農業の「いま」を知る

藤沢市に越してきて約2年半。

自然豊かなこの地で暮らす中でだんだんと興味が湧いてきたのが農業です。

周りには田畑がたくさんあり、地元農家さんの野菜などの生産物が近くのスーパーや直売場で売られているのをよく目にします。

農家以外の方も自宅の庭で野菜や果物を趣味として栽培しているのを見たり聞いたりする機会もよくあり、先日お隣の方からは市民農園で育てたきゅうりをお裾分けいただきました。

そんなこともあり約一年待ち続け、先日思い切って市民農園に申し込んでみました!

(飽き性な私ですが、興味が湧いたことは何事もやってみたいと思ってしまいます。)

ただし、抽選です….。来月公開抽選があるそうです。

当選への期待を込めて、実際に土を触る前に、日本の農業全体が今どんな状況にあるのか、少し真剣に調べてみました。

農業経営アドバイザーの勉強も兼ねて、その「下調べ」で知った、日本の農業構造の大きな変化や、頑張っている人たちの現状について、お伝えしたいと思います。

1. 厳しさが増す「労働力」の現状

現在の日本の農業の大きな課題だと感じたのは、労働力の現状です。

農業を支える中心的な働き手である「基幹的農業従事者」の平均年齢は、上昇の一途をたどっています。

  • 平成7年(1995年):256万人、平均年齢 59.6歳
  • 平成27年(2015年):175万人、平均年齢 67.0歳

税理士の平均60歳より高いです。

直近のデータ(平成31年)でも、基幹的農業従事者は140万人で、平均年齢は66.8歳です。

特に60代以下の基幹的農業従事者数は、1995年の205万人から2015年には93万人へと大きく減少しています。

また、年間で約7.2万人の基幹的農業従事者が離農しているという統計もあります。

このように労働力の減少が進む中で、農地の貸し出しを希望する方が増えており、それらの農地を借り受けて規模を大きく拡大する経営体が増えているのが近年の特徴です。

2. 日本農業を牽引する「大規模経営」の力

労働力が減る一方、農業の生産力自体はどのように維持されているのでしょうか?

調べてみると、農業経営体の中で、ごく一部の「大規模農家」が生産の大部分を担うという構造変化が劇的に進んでいることがわかりました。

2020年のデータを見ると、

  • 年間売上(産出額)が5,000万円以上の大規模農家は、全体のわずか1.94%(2.1万戸)です。
  • しかし、この大規模農家が、総産出額の49.6%、つまり約半分を占めています。

この大規模農家の産出額の割合はさらに拡大傾向にあり、2010年の34%から2020年には49%に達し、2030年には70%に達すると予測されています。

特に2000年代以降は規模拡大のテンポが加速しており、大規模経営、特に雇用型の法人経営を中心に面積拡大が急速に進展しています。

日本の農業では、特に小規模農家や稲作農家が年間6.3万戸ペースで離農するなど、新陳代謝が進んでいます。

3. 新しい風!「新規就農者」の存在

高齢化や離農が進む中で、希望となるデータも見つけました。

それが新規就農者の動向です。

基幹的農業従事者が減少する一方で、新規雇用を含む新規就農者は毎年5万人強(2020年は5.4万人)で推移しています。

特に若い世代(若手)の新規就農者は2万人弱(2020年は1.8万人)で、新しい感覚を持った就農者も少なくないとのことです。

この若手のうち、約半分の0.8万人は農家出身の新規自営農業就農者ですが、残りの半分は、新規雇用の就農者(0.7万人)や、農家出身ではない新規参入者(0.3万人)で構成されています。

若手新規就農者のうち、雇用によって就農する人の約3分の2は、前述の大規模農家が雇用しています。

また、農業に参入する企業もこの7年間で3倍に増え、現在3千社強程度となっています。

人手不足を補うために、外国人労働者の受け入れも増えており、2022年には4.4万人に達し、10年前の2.7倍になっています。

まとめ

農業経営アドバイザーの勉強と当選すれば市民農園という小さな一歩を踏み出す私ですが、その背後には、大規模化、高齢化、そして新しい担い手の増加という、日本の農業のダイナミックな変化があることを知ることができました。

税理士として数字を追うことと、実際に土を耕すことは全く違いますが、この知識は、私自身の農業への関心を深めてくれました。

まずは自分の畑で、日本の農業を支える皆さんの努力に感謝しながら、美味しい野菜を育てていきたいと思います!

もし、皆さんも市民農園などに興味があれば、ぜひ日本の農業の現状を調べてみてくださいね。

きっと、もっと深く、農業を楽しめるようになると思います。

それでは、また。

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