税務調査への備えは必要か

税務調査に入られて、罰金を取られたという話を聞きました。

その方は、法人の代表者でした。

税理士はついておらず、設立して4-5年経っての調査だったそうで、兎にも角にも売上を上げることだけに専念し、経理は身内に任せきり、どんな申告をしているかもわからず、申告が漏れている売上も多々あったようで、本税に加算される罰金の中でも最も重い重加算税を課されてしまったとのことでした。

会社の中身は詳しく聞いていないため、それは大変でしたねとあまり突っ込んで聞くことはしませんでしたが、ご本人曰く一番大変だったのは、税務署とのやりとりだったそうです。

半年以上の期間、資料の要求などのやりとりが続き、精神的にまいってしまったようでした。

警察と違って税務署の税務調査は、捜査ではありません。

税法に則った納税がきちんとできているか確認するための調査なので、その調査の方法や内容については、その法律の範囲で行う必要があります。

ですが、中には、税務署という立場を利用し、税法を知らない納税者に対して強迫じみた問答を行い、重い罰金が課されてしまうケースもあります。重い罰金を課せば、その調査官はそれが成績となり評価され、出世への道につながることでしょう。

明らかな脱税を意図した処理やスキームは当然罰せられるべきですが、税務署の言うことだから間違いないだろうと調査官の言われるがままに修正に応じたり、故意で行ったことを認めてしまい、本来であれば払う必要のなかった罰金まで払わされてしまうこともあるのです。

特に、初めての税務調査を税理士なしで受けることはオススメしません。ベストは、設立当初から税理士をつけることですが、設立当初であれば税理士と顧問契約を結んでいないこともあるかと思います。

その場合は、調査の事前連絡がきたら、調査が始まる前に税理士に相談し、調査当日に立ち会ってもらうのがベストです。税務調査に対応するための専門の税理士事務所もあります。

税務調査がくるということは税務署側も当然事前に情報を集めていて、それなりの理由があってのことでしょう。

ブラックなことや間違っていたことがあり、それについて指摘されたとしたら、それはきちんと改めるべきです。そして、一人で対応せず、税理士立会のもと正しい申告をして、正しい調査を受けてください。

冒頭にお話ししてくれた方ですが、最後に、これを機会に本業に多少の支障が出ても書類や経理まわりを整えたい、今後二度とこのような思いをしたくないので、税理士にお願いできる社内体制を作ろうと思うと言っていたのがとても印象的でした。

私にお話ししてくれたその方ですが、その後共通の知人を通じてご連絡があり、近々打ち合わせをすることになりました。あの印象的だった言葉が本気であることを信じて、私も誠心誠意対応していこうと思います。

 

 

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